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竜ヶ峰麗子の勝手に映画レビュー

第一回「ミッドナイト」

 

 「インターステラー」や「オデッセイ」のせいで宇宙=マット・デイモンというイメージが定着しそうな今日この頃。だけど、今回紹介する「ミッドナイト」は宇宙モノなのにも関わらず、マット・デイモンが出てないの。でも、主人公の名前はパール・デイモンなのよ。ややこしいわよね。マットとかパールとか、「肌の話か!」と思うわよね。つや消しデイモンか、輝かせるデイモンなのかしらっていう話よ。
 わたしはマットっていうと、「床に敷くアレかしら?」と思っちゃうから、いつもメイクさんに「マット感が~」とか言われると、「えっ! マットの話をされるのね」と思っちゃうわ。こんな話すると「麗子さんってぇ、結構年いってますぅ?」とか聞かれちゃうのがたまにキズね。ただのジョークなのに、通じないのかしら。
 通じないといえば、この前インターネットが通じなくなっちゃって、大変だったの! 自分じゃ解決できそうになかったから、管理会社に電話して、お兄さんに来てもらったの。結局ね、コードが抜けちゃってただけだったんだって。わたしったらドジっ子にも程があるわよね。お兄さんにはすごく申し訳ないことしたなあと思ったんだけど、そのお兄さんがすっごく向井秀徳に似てたのよ。向井理じゃないわよ。向井秀徳。思わずね、「向井秀徳さんに似てるって言われませんか?」と聞いちゃったの。おちゃめでしょ。ドジっ子でおちゃめなの。そしたら、お兄さん、ポカンとしてた。ポカンとする向井秀徳よ。いいもの見たわあ。インターネット繋がらないと、ポカンとする向井秀徳が見れるの。一つ大人になったわ。
 「ミッドナイト」のストーリーはネタバレしないように、ふんわりストーリーを説明すると、「パール・デイモンがセックスしている真夜中にだけ、不思議な事件が起こる。それは、宇宙人の仕業でした」って話なの。つまんないわよ。すっごくつまんない。この映画見てる時間あるなら、ポカンとする向井秀徳見てるほうが楽しいわ。

 

第二回 「ビデオを止めるな!」

ビデオは止めても

ブロックは止めない!

 

 今回ご紹介するのは話題になった「カメラを止めるな!」……じゃなくて「ビデオを止めるな!」って映画よ。「そんなのあったんだ~!」って気持ちになるでしょ。わたしもね、編集さんに渡されてびっくりしたのよ、「こんなのあったんだ~」って。声に出ちゃったわよね、思わず。声に出して言いたい「こんなのあったんだ~」よ。そのくらいの衝撃だったわけ。「ビデオを止めるな!」については。

 でね、見たのよ。有名にならないわけだわ~と思ったわ。だって、ビデオって今、言う? 今の若い子、知ってる? わたしの時代は、もうビデオしかないから。わかるのよ、ビデオって言ったら、「あーあの四角いやつね」って。「シールで録画した内容を側面に貼るやつね」と思うの。

 今もう全部DVDでしょ? 「円盤」っていうのかしら? そうそう、わたしの友達にアニメが好きな子がいるんだけど、「早く円盤出してほしいわあ」って言ってるの聞いて、思わず「UFOのことかしら?」って言っちゃったの。最近は思ったことがすぐ声に出ちゃうのよ。でもこれはね、ちょっとしたジョークのつもりもあったのよ。そうしたら、「あらやだ。UFOだって! そんなわけないじゃない! DVDやブルーレイ、CDのことよ!」って教えてもらったんだけど、完全にわたしのことバカにしてたわね。そのあと速攻でLINEブロックしたわ。わたし、敬い合えない人と友達になる気がないの。

 敬い合うと言えば、この前、人妻の友達が年下の男の子たちと遊んだんですって。紅一点で。「それはどうなのかしら。人妻といえど、女性ではあるわけだし、男の子たちも気を使うことが多いと思うわ。紅一点ならなおさらよ。これからは控えたほうがいいんじゃないかしら」ってアドバイスしたの。なかなかこういうの、みんな遠慮して言わないじゃない。仲のいい友だちだからこそアドバイスできると思って、言ってみたんだけど、「そういうあなたは早く彼氏でも作ったら?」っていうのよ! 人妻が男の子たちと遊ぶのと、わたしに彼氏がいないのは全く別の話よね!? ひどいと思わない!? バカにしてるわ! もちろん速攻でLINEブロックしたわよ!

 そうそう、「ビデオを止めるな!」の内容ね。古いエロビデオを見たい中学生男子と、それを止めたいお母さんの親子バトルの話よ。本当にね、なんでこんな映画作ったのかしらね。「LINEブロックを止めるな!」ってタイトルでどんどん友人との縁を切っていくわたしの話のほうがよっぽど面白いと思うわ。

第三回 「半裸監督」

全て脱いでは品がない

チラ見せが最高のエロ

 今日ご紹介するのは「半裸監督」。この編集部はいつも絶妙な映画をセレクトするわよね。「半裸監督でレビューお願いします!」って言われたときに、「ネットフリックス入ってないんだけれど、見れるかしら?」って編集さんに聞いたのよ。そしたら「円盤ご用意してます!」だって。マー、“円盤”だって! 前回のコラムで「DVDとかBlu-rayを円盤って呼ぶのを知らなくて、友人にバカにされたのでLINEをブロックした」って話を書いたんだけど、まさか編集部にニヤニヤ顔で言われるとは思わなかったわ。LINEブロックしようかしら。

 この前“円盤”の話をしたけど、今は配信サービスってやつがメインなのよね。それはわたしでも知ってるわ。最近は映画もドラマもすぐ配信するでしょ。それは私も知ってるわ。猫も杓子も配信なのよね。

 音楽も配信が主流らしいけど、わたしはCDを聴きながら、歌詞カードとかライナーノーツを読むのが好きだから、まだCD買ってるの。その話をダンディな友人にしたら「今はサブスクだよ」って言われたのね。「ラスクか何かかしら」って冗談で返したら「サブスクリプションだよ」って優しく教えられたの。「カタカナは苦手なの」って可愛げに伝えたら、詳しく説明してくれたのよ。要するに、どこかのサービスに入れば定額で音楽聴き放題になるんですって。すごいわよね。感激しちゃったし、教えてくれた人のこともスキになっちゃったわ。抱かれてもいいって久々に思ったわね。

 その人はいつも優しいし、何よりイケメンなのよ。やっぱり、年をとっても素敵な人っているのね。昔は「年取ってからの恋愛なんて、有り得ナイ!」とか思っちゃってたけど、今でもときめきはあるって知っちゃったから、死ぬまで恋愛しちゃいそう。うふふ。でもね、その人の奥さんまだご健在なの。悔しいわよね。しかも美人よ。ムカっとしちゃうわよね。でもその人はいい人なの。難しいわね。

 肝心の「半裸監督」だけど、常に半裸の野球部のコーチが主人公のスポコン映画だったわ。半裸の理由もわからないし、練習もしないし、最終的にコーチがマネージャーにバラを渡して結婚してたの。全然面白くないし、時間の無駄だから見なくていいわ。

第四回 「毀滅の矢井田」

こんな炎上ありえない!
なんてことはありえない?

 もうこのコラム辞めようかしらって思ってるんだけど、いつも変な映画紹介されるから思わず見ちゃうのよね。それで書いちゃうのよ。「今回はキメツです!」っていうから、「あの社会現象にもなったやつね。映画もアニメも原作も予習済みよ。でもちょっと古くないかしら」とか言ってたら、「毀滅の矢井田です」って。何それ? 鬼滅の刃と関係あるのかなと思ってそのときは反論できなかったんだけど、調べたら全く別物なの。気持ち悪いわ。ここの編集部、本当に頭おかしいんじゃないかしら。もう縁を切ろうかって本気で悩んだわよ。どこで上映してるのよそんな映画。全然知らなかったわ。あんまり人と会わなくなったからかしらね。
 しかし、家にいる期間が長かった反動か、海外の人との交流が増えたわ。よくオンラインで会話してたの。もちろんマッチングアプリで知り合った人よ。マッチングアプリって、「マッチング」の発音がエッチでいいわよね。特に「チング」がいいわ。思わずその部分だけ強調しちゃうものね。
 アプリの使い方も仲良くしてるメンズに教えてもらったの。メンズと言っても、ただの幼馴染よ。3年くらい前に同窓会があったのよ。と言ってもオンラインね。30人くらいのオンライン会話って、どうなるかわかる? 全員無言になるの。すごいわよ。あの空間。先生が激怒して、ただこの時が過ぎるのを待っていた小学生時代を思い出したわ。
 わたしもだんまり決め込んでこっそり映画見てたら、個別にチャットが来たのよ。エッチでしょ。みんながいるなか、机の下で足と足をツンツンし合う感じね。それでだんだん仲良くなったってワケ。だから別にやましい関係とかそういうんじゃないわよ。ただ毎日連絡はしてるわよ。それくらいはいいでしょ、友だちなんだから。
 そうそう、この映画はある大規模イベントのスタッフである矢井田が、続々と起こる炎上の数々の処理を任されるの。最初はデザイン担当、次は責任者、演出担当、最後は音楽担当だったかしら。それで矢井田が走って逃げるって話。ちなみにパート2も最近出たらしくって、イベントの賄賂問題が次々と発覚してまた大炎上して、また矢井田が走って逃げるの。こんな意味不明な炎上、起こるわけないから見なくていいわ。

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